瑞雲寺の青面金剛 伊勢市東豊浜町

彩色が施された青面金剛さんを見かけることがあります
暗い祠の中で見る鮮やかな色には いつもはっと驚かさられます
ここ瑞雲寺の青面金剛さんも 美しい彩色の青面金剛さんでした

東豊浜町は宮川の河口左岸の沖積低地に広がる村落です
宮川大橋で国道23号を県道に降りて宮川河口に向かって進みます
途中から宮川の堤防を離れて集落へと入っていきますが
目指す瑞雲寺は 車で侵入するのは躊躇われるような 細い在所道の奥にあります

境内のお堂に 青面金剛さんはお祀りされていました
蔵王権現さんのような青い彩色です 慈悲と寛容の青です

一面六臂 左手に宝輪と索でしょうか? 下にぶら下げているのは人だろうと思います
右手には戟と弓?と剣?でしょうか
そして注目したいのは 足元の邪鬼の両側に描かれた二童子です
仏像を制作する際には 作る仏さん毎に決まり事があります それを儀軌と言います
作像する仏さんが結ぶべき印の種類や持物や脇侍などがそこで定められています
青面金剛さんの場合は「陀羅尼集経」の中の「大青面金剛呪法」に依っていて
そこには
『両脚の下に鬼を安んじ その左右両辺に おのおの一人の青衣の童子を作る』
と あります
実際には 青面金剛さんには儀軌に適った作像は少なくて 持物や脇役のキャラクターも様々なのですが 特にこの二童子が石像に描かれるケースはあまりありません

伊勢市内では 脇に二童子を置く青面金剛さんはここだけだろうと思います
伊勢市のお隣 度会町栗原にある道楽神石像には西面に三面六臂の青面金剛像と 南面に2体の男女の像が刻まれていて 南面の二体は道祖神とされていますが わたしはこれも青面金剛さんに付随する二童子ではないかと考えています
寛保三年(1743)の記銘があります

鬼が踏まれています わりと楽しそうな顔に見えます

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