安楽寺から旧初瀬街道を阿保に向かって歩いてくると 前深瀬川のたもとにいくつかの石仏が集められてお祀りされている場所があります

石の枠組みの中 中央の二基を中心にいくつかの石仏と その右手に大峰山上供養塔

枠組みの中央右側 ※写真は2016年 自然石の表面を四角く彫り窪めて その中に合掌の地蔵さんです 地蔵さんの姿をされていますが庚申さんとしてお祀りされています 写真は7年前のものですが じわじわと痛みが進んできているようで 今では地蔵さんの姿はほとんど判別できないかとおもいます

枠組みの中の中央左側に青面金剛さん ※写真は2016年 一面四臂 手には弓 索 矢 剣でしょうか? 両脚で邪鬼を踏みつけて その下に三猿が見えます

他の石仏とは少し離れた西側の隅の石仏です

デフォルメされた面白い姿の仏さんですが 旧青山町が刊行した『あおやま風土記』の中で以下のように書かれていました
※以下に引用させていただきました
『最も西側のは、羽根区の東部32戸がお祭りするもので、高さ115cm、錫杖(しゃくじょう)を持っているのに、一般の地蔵さんのように頭を丸めていない仏像で、相当摩滅しているのでよく分からないが、毛髪のある地蔵菩薩(ぼさつ)か、錫杖を持った十一面観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)ではないかと思う。造立の年月は「寛政十二年三月」(1800=江戸後期)と読めるようだ。』
『あおやま風土記』には 毛髪のある地蔵菩薩か 錫杖を持った十一面観世音菩薩ではないかとあります 上部に日月が刻まれていることから想像すると 素直に青面金剛像とみるのがよいようにおもうのですが どうでしょうか 儀軌に依るなら下手に持つべき棒を右手に持った姿かとおもうのですが…
また同じく日月から想像できるのは雨宝童子 その場合は 右手に宝棒 左手に宝珠 頭上に宝塔となります それらしく見えなくもないかと そういえば この初瀬街道の先 長谷寺には雨宝童子がお祀りされていますしね

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