伊勢街道の両側に連なる斎宮の街並み
集落の南側はというと 笹笛川を跨いでずっと田圃が広がっています
伊勢街道と並行して東西に延びる道が 広い田圃と集落との境界をかたちづくっています
そんな場所で 集落を背にして 睨みを効かすようにして建っている庚申堂をみつけました
失礼して格子戸を開けさせていただくと 綺麗な青面金剛さんです
神道の塔婆でしょうか 久那斗神 八衢比古 八衢比売 とあります
この庚申堂は神式でお祀りされているようです
イザナギは亡くなったイザナミに逢うために黄泉国へ向かいましたが そこで再会したイザナミの恐ろしい姿に驚いて黄泉国から逃げ帰ってきます 筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原まできて禊をするために衣を脱いだときに十二柱の神が生まれましたが そのときに袴から生まれた神が道俣神で 久那斗神はその化身です 道俣神は 道の股の神さん ですから 辻の神 道祖神です
天孫降臨の道案内をしたとサルタヒコも同神とされています 八衢比古 ヤチマタヒコ 八衢比売 ヤチマタヒメ の「八衢」も辻の意味で 辻の神さんですから同神とされます
三面六臂 頭上に瑞雲を付けた日月が浮かんでいます
注意をひいたのは 左手第二手です
この手はたいていの場合 法輪を持っています
手の形は法輪を持つようにU字に開いているのですが 肝心の法輪はありません
法輪は仏法を表しますから わざとそれを造らずに
神像として表しているのかもしれません
いやまてよ 削り取ったように見えなくもありません
お堂の前の手水石には元治二年(1865)の刻銘がありました
明治に入るとこのあたりは廃仏の嵐が吹き荒れたところですが
江戸末期頃から神仏分離の ムーブメントがあったのかも
それとも このあたりが 神宮領だったことことと関係があるのかな?
さて 消えた法輪 については次回に続きます
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