白山町の白山比咩神社というと 川口の白山比咩神社のことかと思っていたのですが
実は白山町とその周辺地域に白山比咩神社は七社あります
家城の珍徳上人が加賀一ノ宮の白山権現から勧請したもので
その帰国の折に雲出川の瀬戸ケ淵の岸で一息ついていると 笈の中から七羽の白鳥が飛び立って
小倭郷(白山比咩神社 白山町南出)川口(白山比咩神社 白山町川口)山田野(白山比咩神社 白山山田野町)家城(家城神社 白山町南家城)竹原(竹原神社 美杉町竹原) 飯福田(松阪市飯福田町 飯福田白山比咩神社跡)八対野(八ツ山神社 白山町八対野)の七カ所で羽を体めたといいます
庚申さんの建つ場所の背後の丘陵地には 山田野白山比咩神社の森が見えています
こちらの庚申さんが宮ノ前の庚申さんと呼ばれるのは そんな立地からだろうとおもいます
一面六臂の青面金剛です
摩耗が進んでいて 詳しくはあまりわかりませんが
舟形光背の上部に日月があるようです
持物もはっきりとしませんが 左手に剣でしょうか
右手に法輪と人を持っているようです
山田野白山比咩神社の参道は この庚申さんの少し西側を通っています
参道は神社の森からまっすぐ南に伸びて 県道藤大三停車場線と接続しています
青山峠が開かれるまで 青山越えの主要ルートだった塩見峠を越えて 異国の異人が降りてくる道だったでしょうから 参道と県道の接続部には 石鳥居が建てられていて その境界をはっきりと示しています 塞の神が建てられるならば そのあたりの場所かという気がしますが
それなら この庚申さんは なぜこの場所に立っているのだろうと不思議に感じられます
神社の参道からは少し外れています 庚申さんの背後にある集落もまばらです 道切りの役目を担った庚申さんではなさそうです
庚申さんの背後を流れる灌漑用の用水と関係しているのでしょうか
地図を見てみると 用水路は 山田野白山比咩神社の森を大きく迂回して 北に400メートルほどの谷あいの溜池から流れてきています 田畑に入れる水を 守っているようにも見えます
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