常念寺の青面金剛二基 津市雲出本郷町

「からす詣らな片参宮」という言葉があったようでございますな そのくらい香良洲神社は参宮客で賑わったということでございまして お祀りする御祭神はと申しますと 稚日女命(わかひるめのみこと)ということで その昔 高天原で機織りをされておりますところに 素戔嗚尊が来て大暴れしたために 驚いて機から落ちて亡くなられた あの神様でございますな 天照大神の岩戸隠れの原因となった大事件でございました さて 天照大神は書紀では大日孁貴(おおひるめのむち)と呼ばれておりますので おおひるめのむちに対して わかひるめのみこと ということから 香良洲神社では稚日女命を天照大神の妹神としてお祀りされております 参宮の旅の人たちは どうせやったら お伊勢さんと併せて ご弟妹のツクヨミさんとワカヒルメさんにも詣ってこ となったんでしょうなあ 
参宮のお客さんらは 藤枝町から伊勢街道を別れて 香良洲に向かい 香良洲神社を参拝したあと 三雲の曽原や中林へんで伊勢街道に戻ったようです
前置きが長くなっていますが 今日は雲出本郷町の常念寺さんにやってきました このたり 町を南北に縦断する香良洲道に沿って 集落が長く伸びています 常念寺さんは その集落の中ほどにございました

境内の墓地に 二基の青面金剛さんが並んでおられます
このように境内の墓地に立たれる庚申さんは 墓地の入り口に位置する場所におられることがほとんどです 人は亡くなると供養を受けながら魂が浄化されていくと考えられていましたから(三十三回忌の弔い明けまでの間)それまでの過程にある霊魂は 荒御魂;すさぶる魂として恐れられておりました それが墓外にさまよい出ないように 墓地の入れ口を封鎖しているという役目の庚申さんと考えてよいかとおもいます

こちらは左側の青面金剛です
舟形光背の上部が欠けてしまっています 日月は刻まれていないようにみえます
一面六臂
右手は鈷? 戟? 箭
左手は人 弓 法輪はよくみえません

右側の庚申さんも青面金剛ですが 傷んでしまってますね
月と右手の箭と足元のお猿さんくらいしか判別できません
廃仏の折に 淫祠邪教のたぐいとされて 受難されたでしょうか

大きな五輪塔が目をひきます 三重歴史街道ウォーキングマップには 嘉永年間(1848~ 1853)に建立された五輪塔と載っていました

観音さんと六地蔵さん
観音さんは赤ん坊を抱いています 子安観音さんですか

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